Factory / Koga, Ibaraki

素材を溶かす窯から、
目盛りの一本まで。

ハリオサイエンスの理化学ガラスは、茨城県古河市の自社工場でつくられています。原料の調合から溶融・成形・徐冷・加工・プリント・焼付けまで、すべての工程が同じ敷地の中にあります。

古河工場で熟練の職人がホウケイ酸ガラスを宙吹き成形している様子
ハンド成形。熟練の職人が、ひとつひとつ宙吹きと金型で成形します。

FOUNDED

1921 年創業

CHIMNEY-FREE SINCE

1972

MELTING

1,600 ℃ / 炉心温度

CAPACITY

20 t / 日

CERTIFIED

ISO 9001 ・ 14001

煙突のない工場

1972年、「直接通電式ガラス溶融炉」の開発に成功しました。電極への通電でガラスそのものを発熱させて溶かすため、燃焼による排気ガスが出ません。時代に先がけて、HARIOの工場は煙突のない無公害工場となりました。

古河工場は住宅地と農地に囲まれた場所にあります。煙突を持たないという選択は、そこで働く人と、まわりに暮らす人のための設備投資でした。

煙突のないハリオ古河工場の屋根を俯瞰した写真
屋根の上に煙突がない。直接通電式溶融炉だから成立する景色です。
住宅地と農地に囲まれた古河工場の空撮
茨城県古河市。住宅地と農地に隣接した立地です。
SDGs 目標11 住み続けられるまちづくりを / 目標13 気候変動に具体的な対策を 住み続けられるまちづくりを/気候変動に具体的な対策を

原料から製品まで、7つの工程

ハリオサイエンスの理化学ガラスは、砂と鉱物から始まります。溶かし、かたちにし、ひずみを取り、削り、目盛りを刷り、焼き付ける。その全部が古河工場の中で完結します。

01 調合 硼砂などの原料をミキサーへ送り込む調合工程

調合

珪砂・硼砂・硼酸などの原料を、空気の勢いでミキサーへ送り込んで調合します。

02 溶融 約1,600℃で原料を溶かす直接通電式ガラス溶融炉

溶融

溶融炉の中心は約1,600℃。一日におよそ20t分を溶融することができます。

03 成形 16ヘッドの自動成型機によるブローマシン成形

成形(ブローマシン)

16ヘッドの自動成型機でガラスを回転させ、ブロー圧と遠心力で成形します。

04 徐冷 レア炉で約620℃からゆっくり冷却する徐冷工程

徐冷

レア(徐冷)炉で約620℃の高温にした後、ゆっくり低温状態にしてガラスのひずみをとります。

05 加工 バーナーでガラスをカットし注ぎ口をつける加工工程

加工

製品別にガラスをカットしたり、注ぎ口をつけたりします。首管をつなげるなどの特殊なものは専用の加工機で加工します。

06 プリント オートプリンターマシンでビーカーに目盛りを印刷する工程

プリント

オートプリンターマシンによるシルクスクリーン印刷で、目盛りや文字を1本ずつ刷ります。

07 焼付け 焼付け炉でプリントを焼き付ける工程

焼付け

プリントされた製品を焼付け炉に通し、目盛りをガラスに焼き付けて定着させます。

HAND 熟練の職人によるハンド成形

ハンド成形

自動成形にのらない形状は、熟練の職人がひとつひとつ宙吹き及び金型で成形します。

FINISH 目盛りまで自社工場で仕上げた完成品のビーカー

完成

目盛りの一本まで、同じ工場の中で仕上げています。

※ 一部の外注品を除きます。

「首管をつなげる」加工について。専用の加工機による接合は、ケルダールフラスコのような形状や、標準品にない特注品づくりを支える技術です。実例は CASE 03:いいちこ をご覧ください。

つくり方が、品質の差になる

ブロー成形か、金型か、シルクスクリーンか。工程の選び方は、そのまま手に取ったときの違いとして表れます。

ブロー成形で仕上げたHARIO製ビーカーの底面。格子越しに見ても歪みが少ない
格子の上に置いて底面越しに見た様子。線の乱れが少ないほど、厚みが均一であることを示します。

底面のガラス肉厚の均一性

ブロー成形という方法で成形するため、底面のガラスの厚みにムラができにくく均一です。加熱ムラが起きにくく、撹拌子の動きも阻害しにくい形状です。

HARIO製ビーカーの注ぎ口。液だれせず切れよく注げる
注いだ液が口先で切れ、外側に伝わりません。

キレの良い注ぎ口

永年のガラス加工の経験から培われた、液だれしにくい注ぎ口形状です。劇薬などのお取り扱いの際にも安心してお使いいただけます。

HARIO製H-32ホウケイ酸ガラスのビーカー。色味のない無色透明
H-32のビーカー。ガラス自体に色味がありません。

色のない、素材そのままの透明

H-32は100%天然の鉱物を精製したホウケイ酸ガラスで、ガラスの色が限りなく透明に近いことも特徴です。内容液の色や反応の様子を、そのまま目で確かめられます。

シルクスクリーン印刷で鮮明に刷られたビーカーの目盛りと文字
目盛りや「MADE IN JAPAN」の細かい文字も鮮明です。

鮮明なプリント

シルクスクリーン印刷により、細かい文字もくっきりと印刷されています。刷ったあとは焼付け炉で焼き付け、使用中に落ちにくく仕上げています。

安定した製品形状

金型を使って成形しますので、製品形状は常に一定で寸法のバラつきも少なく、分析機器に設置するときの不具合なども軽減されます。(HARIOはJIS規格を参考にしています。)

循環する素材

製造過程で生まれる不要になったガラスや、製品化されなかったガラスは、炉で溶けやすいように同じ大きさに粉砕し、「カレット」としてガラス原料にリサイクルされます。

プリントが施され、品質基準が満たされなかった製品は、グラスウールメーカーで断熱材の素材として活用されます。

粉砕されたカレットと、そこから生まれたガラス製品を両手で並べて比較した写真
製品から製品へ。ガラスは、溶かせば何度でも原料に戻ります。

カレットとして原料へ

粉砕して同じ大きさに揃え、溶融炉に戻します。直接通電式の炉は、カレットの再溶融にも適しています。

グラスウールの素材へ

印刷済みで原料に戻せない製品は、グラスウールメーカーで断熱材の素材として活用されます。

泡きり剤は天然塩

製造過程で発生する泡を残さないための泡きり剤も100%「天然塩」。亜ヒ酸やアンチモンといった有害な重金属は一切使用していません。

SDGs 目標12 つくる責任つかう責任 SDGs 目標13 気候変動に具体的な対策を / 目標14 海の豊かさを守ろう つくる責任つかう責任/気候変動に具体的な対策を/海の豊かさを守ろう

※ 一部の外注品を除きます。

よくあるご質問

「煙突のない工場」とはどういう意味ですか?
1972年に開発した「直接通電式ガラス溶融炉」は、電極への通電でガラス自体を発熱させて溶かす方式です。燃焼による排気ガスが出ないため、煙突を必要としません。
すべての製品が国内生産ですか?
製品のほとんどを国内自社工場で生産しています(一部の外注品を除きます)。国内で一貫生産しているため、レスポンスやリードタイムでスピーディーな対応が可能です。
標準品にない形状も、この工場でつくれますか?
承ります。ハンド成形や二次加工、専用加工機による接合により、特注・OEMの形状に対応しています。図面がない段階のご相談も可能です。
取得している認証は何ですか?
古河工場はISO 9001(品質マネジメント)およびISO 14001(環境マネジメント)の認証を取得しています。

つくり方から、ご相談ください。

「この形状は成形できるか」「この数量で対応できるか」。工程を知っている私たちだからこそ、早い段階からお答えできます。図面がない状態のご相談も歓迎です。